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粗製濫造

昨日は衆議院の文部科学委員会をネット中継で見ていた。

言わずとしれた、田中眞紀子文部科学大臣の「3大学不認可問題」に対する応酬である。

「大学設置・学校法人審議会」が来春の開学認可を答申していた秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の3大学に対し、田中真紀子文部科学相が、審議会のあり方に疑問を呈し、その審議会の答申を認める訳にはいかない旨を、11月2日にテレビカメラの前で唐突に明らかにしたことから大きな問題となった。副大臣・政務次官も報道で初めて知ったという辺り、彼女の独断専行的な発言であったと思われる。

たまらないのは、3年前から文科省の指導に従って準備を進めてきた3つの大学関係者と、地元に新しく認可されるであろう大学に進路を見据えた学生たちである。

独身時代に勤めていた財団法人の理事長が、とある専門学校を新設することになり、その準備を間近で見ていた。建物はもちろんのこと、教職員、設備、図書室の蔵書まで、全て揃えて初めて認可に向けての審査を受けることができると言う。
「ここまで準備にお金をかけて、これで万が一認可されなかったら大変なことになる」と聞いた。
そのためにあらゆる人脈を使い、理事長室に国会議員や都議会議員の姿を見ることはしょっちゅうだった。その甲斐あって無事認可が降り、開学にこぎつけることができた。
20年以上も前の話である。

「まだ認可もされていないのに建物を建て、教員を雇うなんておかしな話」と田中大臣は答弁されていたが、それを学校側に要求して来たのは、他ならぬ文科省ではないのか。
おまけに、認可を受けようとする3つの大学については「よく知らない」と言う。
文科省の官僚の答弁によれば、「大学側に手続き上の瑕疵はない」のであるから、認可しない理由はどこにもない。各党委員の質問に対する大臣の答弁を聞けば、審議会のあり方と、これまで現行法に則って着実に準備を進めて来た大学の認可をごちゃ混ぜにして考えていることは明らかだった。
大臣が問題提起をするための「いけにえ」にされてしまった3つの大学にとっては、非常に迷惑な話である。

物を知らないのか、ただの愚か者なのか。見ていて実に腹立たしかった。

それでも訴訟を起こされたら、とても耐えられる理屈ではないということに自分でも気がついたのか、次第にトーンダウンし、委員会閉会直前には「現行法に則って適切に対応する」と発言を締めくくり、閉会後、不認可を撤回した。

それまで進んできた事業を、大臣が思いつきでストップさせ、批難を受けて撤回する。
こんな構図を、この政権になってから何度見たことだろう。

先日、新聞で面白い記事を見た。
民主党政権の3年間で、辞任したり問責決議を受けて交代した閣僚が14人に上り、さらに8度に渡る内閣改造人事で、大臣、副大臣、政務三役経験者が218名を数え、これは政権発足当時420名以上いた与党議員の約半数にあたるという。


国会に一度も出席することなく辞任した田中慶秋法務大臣は、まだ記憶に新しい。そもそも大臣としてふさわしくない人物を任命したことに問題がある。

野党から大臣の資質に問題有りとされると、内閣を改造して党に戻し、ほとぼりが冷めた頃に再び閣僚として現れる。問題は何も解決していないのに。
どこかの局で「回転ドア内閣」と評していたが、穿った表現だと思う。

この安易な粗製濫造人事は国民をなめているのだろうか?
それとも民主党には人材がいないのだろうか?

この3年間で、たくさんの人間が政務三役を経験し、もう充分に思い出は作ったことだろう。
そろそろ私達に政治を返してはくれまいか?

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7 Comments

もっぷ  

No title

認可(にんか)とは、行政法学においては、行政行為のうち私人の契約、合同行為を補充して法律行為の効力要件とするものをいう。(補充行為)

認可の申請があった場合、行政は、当事者が必要とする要件を満たしていると認めれば認可を行う。許可とは異なり、行政が意図的に認可を行わないことが認められていない。

講学上は「認可」に分類されるものでも、法令上「許可」と呼ばれている行政行為がある。

と、いうことです。
「そもそも」と「なんのため」に帰ったときに本質が見えてくると、つねづね思っています。

2012/11/08 (Thu) 09:33 | EDIT | REPLY |   

仙人ー旅先案内人  

No title

要は政権党は何のために有権者が支持したのかを全くわかっていないんですね。有権者無視の党なんか党の資格がありません。政権どころか党を即刻、解散して欲しいと思います。大臣なんて誰でもいいんでしょうね。政権にしがみつかないですぐに解散して税金を食ってばかりの人たちを交代して欲しいものです。我々も本当に国民のために働いてくれる党を見る目を養わねばいけませんね。

あっちにもこっちにもコメして大変。(笑)

2012/11/08 (Thu) 10:52 | EDIT | REPLY |   

capitobene  

No title

そういえば、民主党政権になってすぐに、れんほう議員が「2位じゃダメなんですか?」っていう、あの審議会?なんでしたっけ?ありましたよね。
あれと同じく、安易な考えで、不必要って決めちゃったんでしょうね。
しかも、田中真紀子は人のせいにしたり、言っていないと言ったり、ホント恥ずかしいです。

2012/11/08 (Thu) 12:49 | EDIT | REPLY |   

ちぇしゃ猫  

No title

もっぷくん、いつも思うことですが、法律用語というのは何とよそよそしい言葉なのでしょう。
「大臣にはその権限がある」と、委員会で繰り返されていましたが、これを見る限り「認可すべき」という答申をひっくり返せる権限はどこにもなさそうですね。
基本的に行政の仕組みを理解していないと思われます。
現行法ではなく、新しいで審査し直すという大臣に対し、自民党の馳委員が「100m走でテープを切る直前にもう100m先にゴールを伸ばすようなもの」と、いい例えを用いていました。
認可を受けようとしている大学のことを何も知ろうとせず、そこに至るまでの苦労をすべて踏みにじり、「いい宣伝になったでしょ」とは言語道断。

夫が防衛大臣になった時もその素人さに唖然とさせられたものでしたが、結局似たもの夫婦ということですか。これまで長年国会議員を務めて来たでしょうに、所詮この程度だったのだな、と思いました。

石原さんにしても、ずけずけと言いたいことを言うのがいいような風潮は、いい加減改めてほしいですね。

2012/11/08 (Thu) 21:10 | EDIT | REPLY |   

ちぇしゃ猫  

No title

仙人さん、こんばんは。

民主党は比例区80削減も抱き合わせたいようですが、確実に民主党議員が80減るのなら賛成です。あれだけの数を抱えながら、震災の時には経験のない素人議員は、ただ街頭で募金活動をするだけで何の役にも立ちませんでした。そんな誰にでも出来ることなどしなくても構わない。風の勢いに任せて、経験の深いベテラン議員を軒並み落選させてしまったことが、あの時ほど悔やまれたことはありません。

私は議員定数を削減するべきではないと思っています。
今ですらいくつも委員会を掛け持ちし、法案をつくり、調査をし、要望を聞く。真面目にやれば体が幾つあっても足りないでしょう。人数を減らせば、さらに官僚に任せる仕事も多くなります。なのに、一方では官僚に頼るなという。
一体、この国のマスコミや有権者は何を考えているのでしょうか?

2012/11/08 (Thu) 21:35 | EDIT | REPLY |   

ちぇしゃ猫  

No title

字数オーパーしました。すみません。<(_ _)>

無駄を省くのは大切なことですが、どんな仕事をしているか知ることもせず、正しく評価もせずに、必要なものまで削れというのは、果たしてどうなのでしょう。
「我々の収めた税金なのに、高い給料をとっているのはとんでもない」の大合唱は、本当に醜い。
この国の行末を危惧してしまうのは考え過ぎでしょうか?

有権者の程度に見合った政治家しか選べないということを、私達はもっと考えた方がいいと思いますね。

2012/11/08 (Thu) 21:37 | EDIT | REPLY |   

ちぇしゃ猫  

No title

capitobeneさん、こんばんは。
事業仕分けをする行政刷新会議ですね。さっき確認をしようとWikipediaを調べたら

事務局に使われる机は普通の事務机とは異なり、120度の角度がついた「ブーメラン型」の変わった机を使用している。価格は椅子と机のセットで16万6215円であり、購入時に財務省側は「刷新会議設置の趣旨に反するのではないか、各省庁にも余った机と椅子はある。」という声に対し、行政刷新会議事務局側は「スタッフ同士のコミュニケーションがとりやすい」と反論したため結局、国家戦略室分も含め、計82セット、1362万9630円で購入。

という項目がありちょっと笑ってしまいました。中古の一戸建て、買えますね~。
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

話は変わりますが、田中大臣が官僚のせいにしたことは許せません。
中継を見ながら「官僚も大変な仕事なんだな~~」とつくづく感じました。

2012/11/08 (Thu) 21:50 | EDIT | REPLY |   

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