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ぜひ見て欲しい「この世界の片隅に」

去年の暮れから「年が明けてヒマになったら行こう」とずっと思っていた映画を、ようやく見に行ってきました。
正月三が日も過ぎ、早いところは仕事始め。
そろそろあちこちのメディアで取り上げ始め上映館も増えているというニュースに、4日、一抹の不安を覚えながら、市内で唯一上映している広島バルト11に行ってみると、案の定既に〈満席〉の表示が…。

自分の認識の甘さを反省しつつ家にとって返し、翌日の座席のネット予約をして出直しました。



原作コミックの読後感を以前「読書覚書」の書庫にアップしたので、トラックバックしておきます。
内容・あらすじについては重複しますので、そちらをご覧ください。

遊郭の女性・リンの絡む部分など多少省略されたエピソードはありましたが、原作にほぼ忠実に丁寧に作られた作品だと思います。

庶民目線で捉えた戦争。
何もわからないままに、それでも確実に巻き込まれ、締め付けられていく生活。
奪われていく身近な命。

それでも耐えられたのは〈国の正義〉という大義があったから。
それが敗戦で脆くも崩れ去り、「自分の戦い」を裏打ちしていたものが、幻想に過ぎなかったことを思い知らされることで、どうしようもない怒りと絶望が押し寄せてくる。

「ああ、暴力で従えとったいう事か
じゃけえ暴力に屈するいう事かね それがこの国の正体かね」

そのすずの言葉は、映画ではオブラートに包まれたセリフに変わっていましたが、今安っぽく叫ばれている「国」だの「大義」などという言葉の、なんと空々しく響くことか。偏狭なナショナリズムが何を産むのか、今私たちは世界のあちこちでそれを見ることができます。
たとえ「国」がなくなったとしても、人々には必ず「生活」があり、生きていかなくてはなりません。
「国」があって人がいるのではなく、人々の健全な生活こそが「国」を支えているのだと為政者は知るべきでしょう。

変わりゆく時代の中で、何が人を支えるのか」

それこそが、何よりも大切に守るべきかけがえのないものに違いありません。
それは常に忘れてはならないものだと思います。

最初は「今日は案外空いているな」と思いましたが、エンドロールが終わって明るくなった場内を振り返ると、ほぼいっぱいになっていました。
できればたくさんの方に見ていただきたいですね。



ところで、月に一度程度、呉に通う用事があるのですが、その際に車を置かせてもらっているスーパーの横に、こんな建物があります。



歴史を感じますが、右下に見える説明文はこんな感じで、よくわかりません。



いつも「これは一体どういうものなのだろう」と思いながら、横を通っていました。
この建物が幾度も画面に登場し、「ああ、あそこだ」と嬉しくなりました。私がいつも利用する細い路地を、彼女たちも歩いていたのですね。

映画のプログラムによればこの建物は、江戸時代から代々庄屋などの要職を務めた澤原家の「三ツ蔵」で東側には旧澤原家の住宅も残っているとのことでした。
東側、ということは、この裏手? 横の階段を上ったらなまこ壁。



写っていない道の左側が旧住宅跡なのかもしれませんね。今度、ちゃんと見てこようと思います。


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2 Comments

北京老学生  

No title

私は、どうも自分ではせっせとブログ記事を書いている(吐き出している?)のですが、他人のブログはあまり見ない(見る余裕がない?)という悪い癖があります。
今頃、この記事を拝見しました。昨日、呉市内でこの映画の3回目の視聴(?)体験をし(共感体験?)、今日は、また広島市内で見ようかと思っています。
なぜ、この映画を何度も見るかといえば、同時に他の人たちがどんな受け止め方をしているかが(ある程度)感じ取ることができるからです。この映画、じわじわと浸透していますね(こんなにロングランかつ、拡大しているのは一種の『奇跡』ですが)。年配の層には、ようやく本格的に普及しているような印象があります。映画館で見ると、世代を超えたひろがりとつながりも感じ取ることができ、そういう意味でも『いい気分』になれます(映画の内容自体は、深刻なのですけど…)。
この記事で紹介されている場所、呉市内でも少し評判になっているようです(もちろん、呉市内在住者で、かつ映画を見た人の間でということになるのでしょうけど…)。

2017/01/27 (Fri) 05:30 | EDIT | REPLY |   

ちぇしゃ猫  

No title

北京老学生さん、こんばんは。

5日間、お疲れさまでした。
県外の方に広島のことをご紹介いただくのは、また新たな視点と新鮮さがあるのだな、と思いながら拝見しました。
また機会がありましたらお出かけください。

この映画、DVDになったらぜひ購入しようと思います。
監督が泣く泣く削った30分のシーンがあるそうで、完全版としてそれもDVDに収録していただけたらいいな、と期待しています。

まだまだ先の話になるのでしょうね。

2017/01/29 (Sun) 01:58 | EDIT | REPLY |   

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